ほぼ完璧:TimeResistanceレザーショルダーバッグOn The Roadレビュー




リトアニアのTimeResistance社、以前Kickstarterプロジェクトのサンプル品を提供戴きレビューした時の記事「時の流れに味わいを増す、物語性のあるレザー:Time ResistanceのMacBook Air/Pro用スリーブ提供品レビュー」でも覚えておられる方もいるかもしれない。

実は私は「GPD Pocketとモバイルバッテリー、スケッチ帳に筆記用具が入る」サイズの肩掛け式レザーバッグをしばらく求めていた。

それもこれも、昨年リトアニア旅行をしたときに街ゆく人々や店の中で販売されていたゴージャスなレザーバッグの数々のせいだ。実のところ、「北欧デザイン」なんて日本ではよく紹介されることのある私の住まうフィンランドの首都ヘルシンキなんかよりも、リトアニアの首都ヴィルニュスやカウナスなどでみかけたバッグとバックパックのデザインセンスは(それらがリトアニアでデザインされたかはさておき、人々の持つセンスが)男女ともに格段に優れていたように思う。そしてこの旅行は実は私がTimeResistanceを知るよりも前のことだった。

そんなわけで、以前サンプルレビューを書くためにTimeResistance公式サイトなどを眺めているときに目が留まったのがこの「On The Road」というバッグ。名称はやはり小説から来ていて、これはジャック・ケルアックによる『路上』(新訳版は『オン・ザ・ロード』)。色はブラック、ブラウン、オレンジの三種類が存在するが、私が注文したのは唯一売り切れていないオレンジだ。




発送は非常に早く(リトアニアとフィンランドの位置関係もあるかもしれないが、発送までにかかる時間も短い)、製品と共にやはり金色の蝋で封をされた、製品名、製造番号、保証期間(12ヶ月)が書かれた証明書や、レザーの手入れの仕方が書かれた紙が付いてくる(ページ一番下の写真に写っている)。

ベロは磁石で止まるようになっている


バッグのサイズは公式サイトによれば、横幅22cm、奥行き7cm、高さ26cm、カバン全体の重さは0.7kgとなっている。実は製品ページにはこのバッグの中がよく見える写真が存在せず、これが私がこの商品の購入を去年末から今までためらっていた主な要因である。この製品をレビューする外部サイトが見つからなかったのも問題の一つ。最近になってようやく、ロシア語で書かれたTaker.imのPaulRostov氏によるものを見つけ、これがある意味購入の決め手となった(もう一つの決め手はオレンジ以外のカラーが最近になり相次いで売り切れとなったためだ)。なお、PaulRostov氏のレビューのものと比較すると、私のOn The RoadパッケージにはTimeResistanceのロゴ入りの袋が入っていない、ジッパーのチャームの形状が違う、などの変更が見られた。


なお、もう少し大ぶりのモノがよいという方は、横幅22.5cm、奥行き9cm、高さ26cmで重さ0.8kgの「A Clockwork Orange」(そう、『時計仕掛けのオレンジ』だ)という製品も存在する。

内部は大きく二つに分けられている。


内部は大きく二分割されている。まずは後ろ寄りの部分から見ていこう。こちらの収納部の壁にはジッパーが付いた部分が存在する。

片側はジッパーで中に物がしまえるようになっている。


ジッパーを開けたところ。中には薄いものなどを入れると良いだろう。ちいさなベロもジッパー側から出ており、そこには「Vera Pelle made in Italy」と書かれている。「Vera Pelle」はイタリア語で「リアル・レザー」の意味だそうだ。TimeResistanceはリトアニアの会社だが、製品はイタリアで作られている。モノはリトアニアから郵送された。


もう一方の側には中央上部にこのようなポケットが。


バッグ内部を二つに仕切る仕切りの、先ほど紹介したのとは別の収納部側には、小さなポケットが中央上部についている。何か小さいものを入れる場合、バッグの深さから取り出しにくいことがある。そのためこのようなポケットを設けたのだろうが、これが絶妙に邪魔だ。ポケットと言っても一枚の皮材を立体的に取り付けただけなので、まずこれが綺麗に畳まれることができない。そのため、この収納部にものを入れる際どうしてもポケット部分がもっこりとしてしまう。これが端にあればより大きなものをこちらの収納部に入れても邪魔にならないのだが、中央にあるのでなんとも邪魔。そしてペンを入れるには奥行きが足りないし、バッグの上寄りについているので、ポケットの下にもデッドスペースができてしまい、どうにも微妙な存在なのだ。

(なお、妻はこれに似たようなレザーショルダーバッグを若いときに母親にもらったことがあるそうだ。そこにも同様なポケットがついていたそうで、「スマートになる前の世代の携帯電話を入れるポケット」だとこれを形容した。)

何故かポケット部にはカロリーメイトのハーフサイズがピッタリ収まる(笑)


私のEDCの中で唯一ピッタリはまったのがカロリーメイトハーフ。しつらえたかのようにピッタリで驚きだ(笑)。まあとは言えここにカロリーメイトを入れて使うこともないだろうし、しばらくしたらこのポケット部分の糸だけ切って、ポケットを外してしまおうと思う。簡単に外せるし、もし外したことを公開するようならまた後から縫えば良いし。だがこの部分がもっと製品ページで紹介されているべきだったと感じる。

GPD Pocketの横に、長細い形状のAnkerのPowerCore 20100がなんとも綺麗に収まる。ペンを入れた無印のポリプロピレン・ペンケースも入るし、スケッチブックを入れてもなおカロリーメイトを入れるだけの空間もある。


後ろはこんな感じ。


後ろ側はシンプル極まりないつくり。

ショルダーストラップは4段階調節可能。


4段階調節できるショルダーストラップは、ストラップの両面に皮を貼り合わせて作ってあり、しっかりしている。欲を言えばストラップの余った部分がべろんとならないようにベルト通し(?)の部品が欲しかったところ。これは自分で作るしかないかな。

些細な二点(邪魔なポケットと、ストラップのベルトがべろんとなること)を除けばこれは私の求めていたショルダーバッグそのものだ。飾り気のない美しいレザーの見た目(横方向ではなく、縦方向に長方でないとならない!)、「GPD Pocketとモバイルバッテリー、スケッチ帳に筆記用具が入る」サイズで、それ以上に無駄に大きいわけでもなく、それらが入らないほど小さくもない(ただこれ一つで「On The Road」=「旅路」にでれるかと言われれば私には自信がないが)。布のカバンのように内容物に合わせてだらしなくその形を崩すこともないし、ベルクロの粗暴な開閉音もない。

まさに私の求めていたレザーショルダーバッグにほぼ完璧に近いものだった。ただ、注意として同社の製品はこれにせよ以前レビューしたMacBook Air/Pro用スリーブにせよレザーの匂いが強めなので、あまり濃い匂いはダメだという方はご用心あれ。



(abcxyz)

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